60歳定年後の再就職

定年を迎えたけれど

私は埼玉県八潮市住まいで、夫婦で昔から住んでいます。
私はというと、毎日東京にある自動車メーカーに電車で通い、新しく出来た自動車のテスト走行をしたり、改善点を見つけ出したりする事が主な作業でした。
そして、定年の60歳を迎え、晴れて残りの人生を歩む時が来ました。

しかし、忙しすぎる毎日を過ごしていた為か、何をしても良いと言われると、困ってしまいます。
散歩に出て帰りにポストを見ると、新聞とタクシードライバーになりませんか、という求人のチラシが入っていました。
まだこの時には、私は何の関心も引かなかったというのが正直な所です。
退職金は出ましたが、自宅のローンの返済等に消え、老後の暮らしは年金で暮らすには、金銭面できつい状況と言えます。

60歳でも雇ってくれるタクシー会社

ですが60歳という年齢では、求人雑誌等に掲載されている会社に電話しても、話を聞いてくれるなら良い方で、まるで相手にしてくれない方が大多数です。
妻と食事がてら相談すると、近所にある織田タクシーでなら、経験があれば採用される可能性がある事が分かりました。
私は机の上に漫然と置きっぱなしにしていたチラシを、妻が読んでいた様です。

それによると、「OKタクシー」という愛称がついている事がわかります。
自動車関係の仕事をしていた事をアピールすると、履歴書を見た担当者は定時制で良ければお願いしますと、人事担当者から依頼されました。
人事担当者氏によるとこの定時制というのは、一定時間働く事を意味しており、簡単にいうとパートに近いという事です。

高級車に乗れるので気分も高揚します

私もそれならば、それほど体への負担も少ないので、受ける事に決定しました。
しかしいきなり、タクシーを走らせる事は出来ません。
それは、2種免許の取得が必須だからです。

ここでこの費用は持ち出しなのかと考えましたが、費用は会社が出してくれるというので、大助かりです。
私は不器用な方なので、一般の運転免許証の取得もかなりの時間が掛かりましたから、大丈夫かなと、不安が無かった訳ではありません。
しかし、毎日の様に自動車を運転していたおかげか、運転技術に自信が付いたのです。
ですから2種免許の取得の過程で、常にお客さんが乗っている事を意識して、ブレーキを踏むことでお客さんに負担を掛けるような運転はしない様、教え込まれました。
後は問題なしと、教官から太鼓判を貰えたのです。

私がタクシードライバーになるなんて夢にも思いませんでしたが、自宅で過ごしているより、こちらの方が凄く楽しい時間を過ごせます。
車はスーパーサルーンという高級車を使用している事からも、拘りが見て取れます。
若い会社だけあってか、活気もありヤル気に満ちていて、皆楽しそうに仕事をしているのが印象的でした。
私にはこの仕事は、有っているのかも知れないと思いました。